住宅購入をする際に注意! 「住宅取得等資金の贈与税の非課税」とは?

住宅を購入する際は、物件の価格に加え、必要となる諸費用について調べるだけでなく、税制や特例についてもアンテナを張り、知識を増やし、それを活用できるように整理しておくことが大切です。この記事では住宅購入をする際に知っておくべき「住宅取得等資金の贈与税の非課税」という制度について詳しく解説していきます。

住宅取得等資金の贈与税の非課税制度とはどういう制度?

親や祖父などから贈与を受ける際には、当然ながら贈与税が発生します。しかし、贈与されるお金が住宅を購入するための資金にかかわる場合であれば非課税扱いになるという制度が用意されています。

この制度が「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」です。2018年現在、700万円(一定の要件を満たす住宅は1,200万円)までが非課税の枠として設定されています。ただし、贈与を受ける対象や、非課税枠の利用などについてはさまざまな条件があるため、制度を利用する前にしっかりと確認しておく必要があります。

この非課税枠制度は、単独で利用するだけでなく、「基礎控除制度」や「相続時精算課税制度」などと併せて利用することができるという特徴もあります。なお、今後、消費税が10%に上がり、購入する住宅に消費税が含まれている場合には一時的に非課税枠が最大2,500~3,000万円(2019年度)まで拡大されることが予定されています。その後は最大1,000~1,500万円(2020年度)、700~1,200万円(2021年度)と段階的に元の水準まで下げていくという計画です。また、震災被害者と認められた方々の場合は上記と非課税枠が異なりますのでご注意ください。

非課税制度を受けるための条件

この非課税制度が適用される対象は「住宅の取得に充てる金銭の贈与」に限られています。贈与された金銭を「実際に住宅の取得資金に充てること」が最低限必要な条件になっています。そのため、居住用不動産そのものを譲った場合や、住宅を取得した後の贈与については制度が適用されないので注意が必要です。また、誰からの贈与でもよいというわけではありません。非課税制度が適用されるのは、父母や祖父母などの「直系尊属からの贈与」のみに限られています。

贈与を受ける側の条件は次のように設定されています。贈与を受ける「その年の1月1日において20歳以上であること」が条件となっているため、その後に誕生日があって成人する場合には制度が適用されないため注意が必要です。贈与を受けた年の取得金額が2,000万円を超える人の場合にも適用されません。また、2009年から2014年までの間に贈与税の申告でこの非課税制度を利用した人も適用要件外(2018年現在)となるので確認が必要です。

さらに、贈与を受けた場合には早めに物件の引渡しを受けることが必要となります。具体的には、「贈与の翌年3月15日」までに引渡し・居住などが要件になっています。そのほか、不動産売買や新築請負業者などの契約先が、親などの「特殊関係者」である場合には制度は適用されません。

なおかつ、購入する建物についても制限があります。「登記簿面積で50平米以上240平米以下」の物件のみが対象です。ただし、これに関しても震災被害者の場合には別途規定があります。

また、中古住宅を購入する場合は築年数についても注意が必要です。マンションなどの「耐火建築物」は25年、木造などの「耐火建築物以外」の場合は20年以内の場合適応となっています。ただし、この築年数を超えてしまった場合でも、「新耐震基準に適合」や「既存住宅売買瑕疵保険に加入」、「耐震改修工事の申請・完了」などの条件を満たすことで制度を利用できる可能性があります。

非課税枠の贈与を受ける場合の申請手続き方法

非課税制度を利用するためには必ず確定申告をする必要があります。

まずは「贈与税の申告書 第一表」「贈与税の申告書 第一表の二(住宅取得等資金の非課税の計算明細書)」という確定申告書を用意し、記入します。申告手続きの際には、非課税制度の対象であることを証明する書類の添付が必要です。贈与者と受贈者の関係を証明するために「戸籍の謄本」を用意します。住宅の取得時期や金額を証明するためには「売買契約書の写し」や「登記事項証明書」が必要になります。

また、本人確認のためにマイナンバーカードや免許証などの本人確認書類の提示が義務付けられています。状況によっては、購入した・しようとしている物件が新耐震基準に適合している住宅であることを証明する「耐震基準適合証明書」や、居住開始が遅れた場合の「居住できない事情と居住予定時期を記載した書類」・「遅滞なく居住することを約する書類」などが必要になることもあります。ほかにも「既存住宅売買瑕疵保険」や「増改築」の工事費用を証明する書類など、また、イレギュラーなケースで、さまざまな書類が必要になることもあります。場合により、かなりややこしいこともあるので、不明な点などは税務署に相談することがおすすめです。

書類が揃えば、申告書を税務署に提出するだけです。ただし、非課税制度の適用は期限内の申告が絶対条件となっているので決して遅れないように注意する必要があります。申告の期間は、贈与税を受けた翌年の2月1日から3月15日です。また、贈与税が発生しない場合でも、贈与を受けた翌年の申告期限内に贈与税の申告を行うことが条件になっています。

このように「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」の適用にはさまざまな条件があり、制度が年によって変わる可能性もあるので、ご利用になりたい方は、その都度税務署へ最新情報を確認されると安心でしょう。適用されれば、一定額の贈与が非課税になるという大変に魅力的な制度ですし、ほかの制度と併用することが可能なのも魅力です。条件が合えば、利用しない手はない制度ではないでしょうか。この記事を参考にして知識を整理してみてください。

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