マンション購入を機に長く愛用できる高価な家具を買う方も多いのではないでしょうか。せっかく高いお金を出して買うのですから、日焼けさせたりせず、長持ちさせたいですよね。残念ながらどんなものでも、新品の状態をずっと維持していくのは不可能に近いことです。日焼け以外にも経年劣化の原因はいろいろとあります。それを踏まえたうえで、今回は、日光が家具にもたらす影響、家具が日焼けしやすい家の特徴、家具の日焼け対策についてご紹介します。
家具が日焼けしてしまうとどのような影響がある?
家具の日焼けの原因は、太陽光の紫外線によるものです。人が紫外線で日焼けするのと同じように、家具も長い間強い紫外線を浴び続けると日に焼けてしまいます。家具の日焼けで分かりやすいダメージといえば、色褪せ(退色)です。木製品はもちろん、畳、プラスチック、革製品など様々な素材が日焼けによって退色します。しかも、日焼けが家具に与える影響は、色あせして見た目が悪くなるだけではありません。
木製品であれば、家具の表面にひび割れやささくれができてしまうことがあります。特にむく材のような素材をそのまま活かした無加工の木製品ほど、日焼けのダメージは深刻になる傾向があります。畳も毛羽立って破れやすくなります。一見、色あせ以外何の被害もなさそうなプラスチック製品も、日焼けすることで材質が脆くなり壊れやすくなります。カーテン、クッションなど布製のものも日焼けで劣化して、裂けてしまったり、穴が空きやすくなります。皮革素材も紫外線に弱いデリケートな素材で、直射日光の当たる部屋に長期間置いていると、変形する恐れもあります。
家具が日焼けしやすい家の特徴
家具が日焼けしやすい物件とは、言い換えれば日当たりの良い物件のことです。特に不動産で人気の高い南向きの物件は、1日を通して部屋に日差しが降り注ぐため、家具が日焼けしやすいといえます。また、午後から夕方にかけて日が当たる西向きの物件も同様です。
日当たりの良い物件は家具が日焼けしやすい物件でもありますが、洗濯物が乾きやすい、日差しによって冬でも暖かいなど、日常生活をするうえでのメリットは多いためむしろ、人気のある物件といえます。実際、物件を選ぶ方で日当りの良さを第一条件に挙げる方は少なくありません。言い換えますと、日焼けは日当りが良い物件ゆえのお悩みともいえるでしょう。家具の日焼けを出来る限り防ぐ対策があるので次にご紹介します。
家具の日焼け対策にはどのようなことをすれば良い?
家具の日焼け対策は色々ありますが、比較的簡単にできるものを5つご紹介します。
家具をなるべく窓から遠ざける
お金をかけずに簡単にできる日焼け対策が、家具を窓のそばに置かないこと。一般的に、部屋の模様替えは頻繁に行うものではありませんので、一度決めた家具の配置で長期間生活する方も少なくありません。家具の位置が長い期間同じ場所に固定されていると、日の当たる場所とそうでない場所の差がはっきり目立つようになっていきます。可能であれば、家具に日が当らないように窓から遠ざけて配置し、それが難しい場合はこまめに配置替えをして、一部に日が当たり続けるのを避けるようにしましょう。
レースのカーテンを設置する
ドレープカーテンしか設置していない場合は、窓側にUVカット効果のあるレースカーテンを設置して家具の日焼けを防止しましょう。レースカーテンなら昼間閉めても、部屋の中にある程度光を取り入れることができます。家具の日焼けは気になるけど、昼間部屋を明るく保ちたい方におすすめの対策です。最近は生地の開発が進み、UVや遮光に優れた機能を持つカーテンも数多くあります。
窓や家具にUVカットコーティングを行う
窓や家具にUVカットコーティングを施すのも効果的な日焼け対策の1つ。窓に貼るフィルムタイプのものであれば、窓ガラスの飛散防止効果や断熱効果があるものもあり、防犯対策や節電にも役立ちます。ホームセンターや通販サイトなどで販売されているものは、1,000~3,000円前後。専門の業者に依頼すると窓ガラス1枚につき10,000円ぐらいからあるようです。ただし窓ガラスの材質によっては後付けができないものもありますのでよく注意してください。
すだれやグリーンカーテンを設置する
ベランダにすだれやグリーンカーテンを設置するのもおすすめの日焼け対策です。特にグリーンカーテンは、紫外線防止だけでなく、室内の気温上昇を和らげる効果も期待できます。ただし、マンションの規約により、ベランダにすだれなどを設置できない場合もあります。設置する前に必ず確認するようにしましょう。
紫外線に強い素材の家具を選ぶ
最初から紫外線に強い素材を使った家具を選ぶことも1つの手段です。プラスチック素材の一つであるアクリル樹脂(メタクリル樹脂)は、もともと紫外線に強く、色あせや劣化が少ないとされています。また、透明度がガラスより高いとされており、テーブルの天板などによく使用されています。
家具が日焼けしてしまうことをあまり恐れずに、むしろそれを「風合い」として愛着を持つこともできると思います。気に入って購入した家具と気に入った家で共存していく。日々の暮しを重ねることにより、だんだんと日焼けしていく家具も含めて、空間全てがご自身の歴史になるのではないでしょうか。時間の経過を劣化ととらえず、より好きな空間に変化させていくことを楽しむことこそ素敵な日常です。