「20代でマンションを購入するのは早すぎる」と思っていませんか。実は一昔前に比べて20代でマンションを購入する人が少しずつ増えています。20代のマンション購入率、若いうちにマンションを購入するメリット、デメリット、選び方のポイントを詳しく解説します。「老後の不安に備えて早めにマンションを購入したい」「毎月の家賃がもったいない」と、思う20代の方はぜひ参考にしてみてください。
20代のマンション購入率はどれくらい?
総務省が2013年に行った住宅・土地統計調査によると、24~29歳の約9割が賃貸物件に住んでいることが判明しました。その一方で、20代で家を購入する人も少しずつ増えています。
現に金融広報中央委員会(日本銀行)が2人以上世帯を対象に「持家、非持家世帯の比率」を調査したところ、20代の12%が家を購入済みと回答しています。そのうちの10.7%は自己資金で家を手に入れています。相続・贈与で家を手に入れた人は、わずか2%弱に過ぎません。
また、厚生労働省が2016年に調査した平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性が29.4歳。この数字も年々上昇傾向にあり晩婚化が進んでいます。そればかりか、生涯未婚率も2015年には男女ともに過去最高の数字を記録しています。
こうした社会的背景から、「生涯結婚しない可能性があるかもしれない」「老後が不安」などの理由で、マンション購入を積極的に考える20代が少しずつ増えています。
20代のうちにマンションを購入するメリット
世間全体でみれば、20代でマンションを購入する人はまだ少数派。若いうちに購入するメリットを詳しく見ていきましょう。
若いうちから自分の資産が持てる
20代でマンションを購入するメリットは、若いうちから自分の資産が持てること。賃貸マンションと違ってローンが完済すれば、マンションは完全に自分の資産となります。
特に中古マンションは新築マンションと比べて㎡単価が安いので、貯金が少ない20代でも比較的購入しやすい傾向にあります。結婚、出産、転勤などライフステージの変化で将来引っ越しをすることになるとしても、賃貸物件にして家賃収入を手にすることも可能です。
住宅ローンが早く完済する
住宅ローンが早く完済できることも20代でマンションを購入するメリットです。多くの住宅ローンが返済期間を最大35年としています。25歳で35年の住宅ローンを組んでマンションを購入した場合、定年前の60歳で完済します。給料アップやボーナスが支給されたタイミングで、繰り上げ返済すれば50代のうちにローンを完済することも可能です。
早めに購入することで元金返済が早く進むので、市場価値が落ちないような物件を購入すると元金返済分が貯金になり、浮いたお金は老後資金や趣味など好きなことに回すこともできます。
賃貸マンションと比べて設備の良い部屋に住める
一般的に賃貸マンションと比べて分譲マンションの方が、お風呂やキッチンなど水回りの設備が充実しています。また、監視カメラ、受付のコンシェルジュなどセキュリティ対策もしっかりしている物件が多いので、女性の1人暮らしでも安心です。
自分の資産なので、暮らしやすいように部屋を自由にリフォームできる点も大きなメリットといってよいでしょう。
20代のうちにマンションを購入するデメリット
20代のうちのマンション購入はメリットばかりではありません。マンション購入を検討している方は、デメリットもしっかりチェックしておきましょう。
ライフスタイルの変化でマンションを手放す可能性もある
今は理想の暮らしができるマンションでも、年齢を重ねることでライフスタイルや価値観が変化して暮らしにくくなる場合もあります。
ライフスタイルが固まっていない20代は今のうちから人生設計をしても、将来何が起こるか分かりません。子供の学校や夫の転勤、両親の介護などで、マンションを手放さなくてはならなくなる可能性もあります。
購入したマンションを手放す場合は売却か賃貸という方法がありますが、既にローンを組んでいるため、次に購入する物件に制限が出てくる可能性も出てきます。
賃貸マンションと比べて初期費用が高い
マンション購入時には、仲介手数料、税金などの諸費用が物件価格の約5~10%必要だといわれています。3000万円のマンションを購入した場合、約150~300万円の初期費用が必要と考えておくとよいでしょう。
賃貸マンションの初期費用の相場は、家賃の4.5~5倍程度。家賃10万円の2LDKのマンションに住む場合、必要な初期費用は50万円ほどですみます。
少ない頭金で住宅ローンが組めても、マンション購入は数百万単位の初期費用が必要となるケースがほとんど。そもそも貯金がないとマンションは購入できません。
20代がマンションを購入するときの選び方のポイント
最後に20代でマンションを購入するときの選び方のポイントをご紹介します。
将来のライフプランをしっかり考えたうえで選ぶ
20代のDINKsは、年齢と共に考え方が変わり子どもを産むケースもあります。妻が出産を機に退職することも。また、出産後の子どもの健康状態により退職せざるを得ない場合もあります。
購入時の夫婦2人の世帯年収、生活費だけでなく、出産や育児で妻が一時的に専業主婦となった場合や子供の教育費も踏まえて、マンションを選ぶようにしましょう。
売却も考えて値下がりしにくいマンションを選ぶ
ライフステージの変化による売却も視野に入れて、物件価格が値下がりしにくいマンションを選ぶことをおすすめします。複数路線が通るターミナル駅、徒歩10分以内の駅近など利便性の高い場所にあるマンションが、値下がりしにくい傾向にあります。
20代でマンションを購入するとライフステージの変化でマンションを手放す可能性もあります。しかし、人生の早いタイミングで自分の資産が持てるといったメリットも見逃せません。この記事を読んで「マンションを購入したい」と思った方は、ライフプランを十分に考えたうえで不動産会社に相談することをおすすめします。