不動産の購入においては、ゼロアパでは、「純資産」(Net Asset Value)について
考えることが大切であると様々な記事で紹介しています。
純資産とは、端的に言うと物件を売却した後に手元に残る資産のことです。
■計算式
(市場価格+売却諸費用)-ローン残高
自分の純資産(NAV)を把握するには、今現在の売却価格を意識すると同時に、
ローン残債との差額がどのくらいになるのかを把握しておく必要があると思います。
売却時に純資産の考え方が大切になる
よく、「賃貸なら気軽に引越せて、持ち家は引越せない」という話を耳にします。
持ち家だとローンがあるから、感覚的に引越しにくいということなのかもしれません。
私はこれを純資産の観点から分けて考える必要があると思っています。
純資産がプラスの持ち家なら、いつ売却しても手元にお金が残ります。確かに賃貸物件に住み続けるよりも、売却時の手続きなどの過程は面倒かもしれません。
とはいえ、身動きが取れない程ではないでしょう。
他方、純資産がマイナス(債務超過状態)の場合はどうでしょうか。
何かしらの方法で現金を工面する必要があるため、どうしても負担を強いられることとなります。
加えて売却後の転居などにかかる費用も純資産が潤沢であれば安心できるでしょう。
純資産はこのように使える
一生住み続けるなら、純資産なんて関係ないのでは?
そんな声が聞こえてきそうです。
もちろん、物理的な住居のみで考えると、純資産のことなど考えないですね。
しかし、以下の2つを知っておくと良いかもしれません。
・共同担保としての借入れ
・リバースモーゲージ
この2つは純資産の考え方を視覚化した商品です。
【共同担保として借入れ】
私個人の話ですが、自宅の純資産(空き枠)を共同担保に提供し、新しく借入れをし、投資物件を購入することができました。
もちろん、ほとんど手元の現金を出さずにです。
自宅として住んでいるとそれが純資産だとは考えませんが、金融機関は自宅の純資産(市場価格-ローン残債)を現金として評価してくれます。
※金融機関の融資基準によります。
投資物件を購入する場合、最初に購入物件の10%~20%以上の自己資金を入れることがほとんどです。
私の場合、その資金を手元の現金を使うことなく処理することができた訳です。
その分、その他の投資に回したり、家族で生活を楽しむ方に使うことが可能となりました。
【リバースモーゲージ】
リバースモーゲージとは、自宅を担保にお金を借りる商品。資金使途は自由です。
ユニークな点は、本人が死亡した際に物件を売却して一括返済するということです。
もちろん、存命中は住み続けることが可能です。
不動産を残す必要がない場合や、生きている間にそのお金で楽しみたいなど、老後を楽しむために有効な手段のひとつと考えます。
現状、日本で取扱っている銀行はごく一部で、意外と広く知られていないのですが、これから増えてくるのではないかと思っています。
子供には悪いけど、私も利用したいと企んでいます(笑)
もちろん、その前にライフスタイルの変化で売却する可能性もありますが、いずれにしても大切なことは「純資産」だということに変わりはありません。
※上記の話は、経済合理性をベースに書いています。
マイホームにおいては資産性だけではなく、個別の事情があるのでひとつの参考材料として読んでいただけたら幸いです。